第53回暇つぶし杯

バレーボール観戦と山旅と湯の記録

2023年俺6的な

バレーボール観戦におけるその年の私的ベスト6

選考基準は会場、テレビ中継、配信等の観戦で興奮した選手。狭い観戦範囲から素人が選んだ私選なのであしからず。10年以上続けているライフワークなので1年を振り返る書き物として惰性で続けています。

昨年の俺6はこちら

 

 

ベストチーム

龍神NIPPON 全日本男子バレーボールチーム

VNLで銅メダル獲得、OQTパリ五輪予選で自力出場権獲得。文句無しの過去最強っぷりで日本を沸かせました。

VNLでは追い続けたブラジルの背中を捕えて30年ぶりに勝利を収める快挙。興奮しすぎて大声を出して「ご近所さんごめんなさい」がトレンド入りしました。

 

まあブラジル目線でも色々言い分はあるのですが。その後OQT終了時にダルゾット監督が退任、年末にレゼンデの復帰が発表されました。観戦者が焼け付いて焦げるようなブラジルNTの復活を望みます。

 

次点:近畿大学

2023天皇杯を沸かせた近大。懸命に繋ぎ果敢に攻める。バレーボールの原点にひたむきに向き合う学生チームに全武蔵野の森が暖かい拍手を贈りました。スポーツっていいな、バレーボールっていいだろ。

 

 

続いて俺6。選評と選考候補は下記に。

 

Sセッター

イカ・クリステンソン(ZENIT KAZAN/USA)

OHアウトサイドヒッター

仲本賢優パナソニックパンサーズ

髙橋藍モンツァ/日本代表)

MB 選考下記

OPオポジット

宮浦健人(パリ・バレー/日本代表)

Lリベロ

藤中颯志サントリーサンバーズ

 

選評と思い出語り

Sセッター

イカ・クリステンソン(Zenit Kazan/USA)

1993年5月8日 生まれ。三十路のマイカは顔が凄く良くなった。恵まれた体格を持ち才能もありスマートでおまけに顔もいい。若い頃からNTスタメンで苦労知らず(偏見)そんなとこから長年野獣好きの野獣アンテナには引っ掛かからなかったのですが、ロシア・スーパーリーグZenit Kazanに移籍してから、バレー愛が香ばしく臭うジューシーで肉厚な選手になった気がします。やっぱり男は30からですね。(野獣アンテナ直撃するセッターはブルーノ、デセッコら)。

ロシア移籍当時、クラブメディアのインタビューで「ロシアのスパイカーはパンチ力が尋常じゃ無い(笑)セットしておけば決めてくれる。スパイカーへのリスペクトが深まった」とかなんとか(ソースの記事は忘れました)。バカ力のスパイカーをリスペクトしバカ力のスパイクを貪欲に繋げるレシーバーをリスペクトし2ndボールを慌てふためいて追うマイカはジューシーでした。マイカを通してロシア人バレーボーラーが友好的で明るい性格だと言うことも知りました。この世界情勢の中、ロシアでプレーすることを選び契約延長にあたっては「KAZANの何もかもがいい」と笑うアメリカ人。ゲーム中は殺し屋のような目をする事もありますが、OQTで来日するとゲームが終わった後は熱心にファンサービス。

私もサイン貰いました(∩´∀`)∩←これが選考理由。

 

宮間さんの超ロング翻訳。いつも頭が下がります。

 

ゲームを操るセッターの人選は変わらず、スパイカーがガラリと変わったチームでスパイカーを引立てたオミが次点。

次点:深津英臣パナソニックパンサーズ

 

OHアウトサイドヒッター

仲本賢優パナソニックパンサーズ

チームが強い時は第三の選手の活躍が光る。川村様とか川村様とか川村様とか。仲本が仲本様と呼ばれる日も遠くない、そう感じさせた記憶に新しい天皇杯決勝。

リーグ内移籍が活発になりましたが、こういうチームの生え抜き叩き上げの選手は絶対に手放さないで下さい。

 

手前味噌ですが昨シーズンのファイナル4レポ

 

髙橋藍(日本代表/モンツァ

私的今年の龍神MVP。OQTパリ五輪の切符はアメリカ様は当確、残る1枚の切符を日本はスロベニアと争うだろうと予想をしていましたが、スロベニアは負傷者続出、ベスメンでは無い体制で来日するとTV局が破廉恥に馬鹿騒ぎするノイズは心底ウザいがこれは日本は相当パリに近づいたなと思いきや、蓋を開けると初戦のフィンランド戦で苦戦、2戦目のエジプト戦を自滅で落とすというだらしないスタート。全日本男子バレーの誠実な強化が実を結び、暫く出番のなかった汚口が久しぶりに開き「メンバースタッフ全員で滝にでも打たれて来いよ!」これまでの強化を無駄にするつもりかっとお客様は怒りを覚えたというもの。そのガッタガタのチームの中で高い集中力を保ち、俺6選考委員の信頼を得た髙橋。

打たれても打たれても何もなかったように繋げる精度の高いレシーブ力で相手スパイカーの心を折り、攻撃面でも不調石川に変わり「俺が決めてやんよ!」と言わんばかりのインナー、小兵が得意とするスピードや小技だけでやり抜くのでなく、真っ向勝負に打ち勝つ勝負強さも光った。らんらん恐ろしい子

アスリートとして自らを高いレベルへ押しやる貪欲さ、またコート外ではビジュアルの良さを照れ隠しせず飄々とファッション界のハイブランドに登場する強いメンタル。好感しかないですね!

 

次点:スイフコネンフィンランド代表)

フィンランドは10年くらい前の日本代表を見てるようでした。

パウロ(ミナス)

世界クラブ選手権サントリーサンバーズと対戦した1試合しか見ていませんが、\力こそパワー/こういうバレーボールが見たかったと思い出させてくれた22歳のブラジル人スパイカー

 

MBミドルブロッカー

OQTで来てくれて嬉しかったけど試合でコーフンしたのって誰だろ?思いつかない。スミス、ホルト(USA)、ポドラスチャニンセルビアブルブル(トルコ)OQTでもっと見たかったなー。ロシアカップを見るとヴラソフやっぱいいなー戦争やめろとか配信でチラ見したドイツのMB名前思い出せないーとかとかとか。髙橋健太郎(JPN)も頑張ってました。

 

OPオポジット

宮浦健人(日本代表/パリ・バレー)

VNLブラジル戦、コンディション不良の西田に代わりフル代表初スタメンで登場。「エースが決めて勝つ」鎮西高校(熊本)の信念がフランス・オルレアンで花を咲かせた。

現在のA代表中心メンバーは、わかりやすいとこで2mMBらは特に、即戦力でなくても東京オリンピックという大義の前に見守るファンも多少の粗は目を瞑って、汚口にチャックして手厚く手厚くみんな横並びの実践で経験を重ねて世界ランキングを上がってきました。宮浦はそのルートに乗らず、セッターとクラブチームでコンビを合わせたとか保険もなく体一本でポっと出て(きた訳じゃないけど)史上最強の龍神に追い付いた。

最近の国内育成は、老害ですが、個性は丸めて横並びの育成で大人が仕込んだ戦術が勝敗を分けるような、なんつーか物足りないんですよ。そんな時代に勝利の近道を選ばず、尖端をせっせと尖らせる育成も目が離せないんですよね。エースに責任を追わせる、エースは自分との戦い、エースが負けたら終わりの鎮西エース道。

 

そしてたどたどしいながらも懸命に英語でインタビューに応える宮浦の姿に感化され、英会話の学び直しを始めたテキストがこちらです。

 

次点:モジッチ(スロベニア)本来はOHですがOQTはチーム事情でOPを努めたのでこのポジションでエントリー。お前が勢いづけばチームも勢い付くチームの太陽。

OQT代々木、「サインちょーだーい」とコートサイドに群がるファンにUSAのマイカはんは「はいはいベイビー達、欲しがりさんだね」と勿体ぶってファンサービスを提供しましたが、この陽キャスロベニア人はガラガラの平日代々木アリーナ席を縦横無尽に走り周り、「モジ夫ー!」と呼べば「俺モジッチ!よろしくね!」と率先して営業。呆然としました。

 

Lリベロ

藤中颯志サントリーサンバーズ

以前も俺6ベストゲームでサントリーアジアクラブ選手権を選びましたが、大陸を跨いだクラブの国際大会というパッケージが面白いんですよねー。NTの国際大会でもこんなに各チームに個性のバラつきが出ないのでは。

その中で3位に貢献し、これぞ日本のバレーボールと存在感を発揮した藤中颯志。

 

颯志がスパイカーだった大学1年か2年時の試合は数試合しか見る機会がありませんでしたが、ラリー中ネット際のボールを拾いその体制から超高速で下がって「助走こそ人工の翼」と叫んだかどうか178cmのスパイカーは踏み切りスマッシュを放つ。フットワークが爆発していて「どーなってんだアイツの運動神経は」とただただ驚愕、試合内容はこれっぽっちも記憶にない。

そんなんね、与えられたメニュー以上のトレーニングをしてなきゃできないですよ。貰ってる給料分の仕事しかしないサラリーマンは雷に打たれたような衝撃を受けて、2019年に俺6新人賞に選出しました。

リベロ転向後もただただこのスポーツに情熱をかけて自己研鑽を続け、世界を相手に熱くさせてくれてありがとう颯志。青田買い冥利に尽きるというもの。

 

思い返せば、国内には国内の宝物がいる!顔がいい選手以外ももっと見て欲しい!という気持ちで俺6を始めた事を思い出した。(顔もいいです)

 

 

フョドロフ君(Zenit Kazan)

と、これを書いているところで21歳のリベロフョドロフ君がロシアカップでMVPを受賞したという事で選出。初めてフョドロフ君を認識したのは2022年5月、フェドロフ君19歳、NTに呼ばれるのが待ち遠しいとヨダレを垂々流してたんですよ。戦争やめろよ。国ぐるみのドーピングやめろ。ロシアスポーツを身綺麗にして国際大会に返せよ。

 

Dynamo×Kazan

 

来年方向転換する日本のSVリーグは世界一のバレーボールリーグを目指すんですってね。

 

「日本一の選手ってどんな選手だと思う?きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。オレはそれになる」

 

日本が世界に誇る日本発の漫画のこのセリフを、世界中の人が暗記してるんですよ。

 

世界一のバレーボールリーグってどんなリーグだと思う?きっとバレーボールは世界一面白いスポーツだと世界に証明するリーグだと思うんだよな。バレーボールで世界に友好を広げ、競技に係る人材の財産と健康を守り、焦げ臭いFIVBと対等に議論を交わせるリーグだと思うんだよな。

世界一を目指すと口にしたのなら、「世界一のリーグってどんなリーグだと思う?」その問いから目を背けないで欲しいですね。