第53回暇つぶし杯

バレーボール観戦と山旅と湯の記録

四国ほぼ一周〜登山とドライブほぼ一人旅(前半)

この暇つぶしブログはバレーボール観戦前に山登りなどのアクティビティをこなした旅の記録がメインですが、今回はバレーボール観戦はなしです。同時期に大阪で開催されていた黒鷲旗の最終日にパナソニックパンサーズが残った場合は応援に駆けつけるスケジュールを組み、ハリセンなど応援グッズも車に積みましたが、パンサーズは準決勝で敗退。色々と無念です。私は勝利主義者。

 

2023ゴールデンウィーク5泊8日四国ほぼ一周〜登山とドライブほぼ一人旅の記録。Google mapのタイムラインを頼りに振り返り。四国の百名山2座を攻めつつ、ゆる山、ゆるキャン、ゆるドライブの四国一周。

当初の目論見では東京晴海からオーシャン東九フェリー乗りラクラク徳島入りするつもりでしたが、なんとゴールデンウィーク初日の4/29.30供に休航。ガーン。気を取り直して全行程陸路で移動しましたがとても充実した旅ができました。

 

●ザックリ行程  

4/29 〜5/6 全走行距離約2,650km

・経由地

東京・神奈川・静岡・愛知・三重・滋賀・大阪・兵庫・岡山・広島・愛媛・高知・徳島・千葉 14都府県

①日目 4/29 夜出発 移動中仮眠(静岡県

②4/30 しまなみ海道ドライブ 島キャンプ泊(愛媛県

③5/1 石鎚山登山 山頂小屋泊(愛媛県

④5/2 ドライブ 四国カルスト〜中土佐でカツオ等  剣山前泊(徳島県

⑤5/3 剣山登山〜車中泊香川県

⑥5/4 我拝師山登山(香川県)〜うどん〜 友人と合流しゲストハウス泊(高知県

⑦5/5 ドライブデー 仁淀ブルー&室戸岬等〜 明石大橋経由で帰路、移動中仮眠(兵庫県滋賀県

⑧5/6 帰京 旅のおみやげ

連休最終日の5/7をゆっくり自宅で過ごす余裕のスケジュール

 

●宿泊

キャンプ1、山小屋泊1、ゲストハウス1、他車中泊

車中泊スペック

・相棒はNISSAN note10年物

この旅の燃費14.5km/㍑

後部座席を倒せばほぼフラット、直線で160cm取れる。私の身長は163cm

おおよそ車中泊に適した車ではないと思われるコンパクトカーだが、北海道半周も経験して既に12万㌔走っている相棒

ホームセンターで1500円位で購入した120cm座布団タイプマットレスを敷きっぱなしにして、運転に疲れたら即ゴロン

基本的に寝るだけ、社内で調理などはしない

車中泊用の改造は一切なし

車中泊は扉1枚開ければ空の下

この気軽さを体験すると止められない

 

●荷物 キャンプ道具、登山靴ハイカット、ローカット2足、着替はたくさん。キャンプで焚き火臭くなって登山は大汗をかく。

着替は日数分では足りない(途中、コインランドリーで洗濯)

●食事 ほぼ現地調達

●入浴 毎日温泉、サウナ&水風呂(源泉かけ流しではない)

 

目次の作り方などわからないので時系列の箇条書きで

 

①片道750kmの移動

4/29(土)19時出発

ナビ情報によると尾道まで9時間750km

本州の全長が1500kmとの事で本州約半分の移動。夜走りのため仮眠や休憩を加えて18時間の想定。

この距離を「行ける」と直感したのは青森に行くより短いから。安易。

 

新東名〜伊勢湾自動車道〜新名神山陽道しまなみ海道

 

23:00 浜松SA 前線の通過に伴う雷雨に見舞われ、時間的にもここで仮眠のつもりが、目覚めたら5時間経過している車中泊熟睡選手権。

 

伊勢湾自動車道から名港工場地帯の工場夜景を狙ったが朝焼け。それもカッコいい。

新東名、新名神ともに新しい道路はコンディションがよく快適。快適過ぎて退屈。

 

6:45 宝塚SA 長めの休憩。ちょうど飲食店が開店し始め朝食。

10:00 吉備SA にはシーガルズコーナーが!

 

山陽道は適度なカーブがあり新高速に比べて走りごたえのある道でテンションが上がる。

12:00 因島下車 長時間ドライブから二足歩行のリハビリがてら因島(いんのしま)白滝山(244m)に登りはっさく屋はっさく大福を2個ペロリ。

 

大三島へ移動。因島広島県大三島愛媛県

 

大三島(おおみしま) 憧れの島キャンプ

14:30 有料道路を降りてすぐ道の駅「多々羅しまなみ公園」。この道の駅は亡き友と来た場所。

キャンプ場はいくつか候補があったが町営のところが多く問い合わせ先が土日休業の町役場などイマイチ要領を得ず戸惑っていた。

ところがなんと!道の駅で多々羅キャンプ場の当日キャンプ受付カウンターが出張って対面有人対応。昭和生まれには大変ありがたい。これが無ければ車中泊になるところだった。感謝!

・瀬戸内海ビューの眺望

・徒歩圏内に温泉施設あり

・焚き火台と焚き火シートでの焚き火OK

・オートキャンプエリアもあるが、駐車場から離れたフリーサイトもある。

静かなソロキャンプがしたいキャンプ場選びに「車両乗り入れできない」は重要な判断ポイント。オートキャンプ場は比較的荷物の多いグループキャンパーが多く、つまり賑やか、騒がしい。

欲しいものが300%揃っている。ここをキャンプ地とする!

受付完了すると思わず「やったやった」と喜びの舞

道の駅では食材が揃わずスーパーに移動して瀬戸内海産の刺し身パック(鯛・平目・鰤)を購入。

 

翌日の石鎚山は火気禁止の霊山のため、メスティンで米を炊きおにぎりの準備。朝はお湯を沸かして山専ボトルに詰める。車中泊だと「火を炊く」行為が難しいためキャンプ場の前泊で準備ができてよかった。

静かな瀬戸内海の夕暮れ、キャンプ設営の面倒くささなど何も感じない。

1番奥まったフリーサイトはソロ3組、夫婦二組、女性二人組と狙い通り子供やグループがいなくて落ち着いたキャンプサイトだった。

 

5/1石鎚山登山アプローチ編 酷道車上荒らしの洗礼

目指す登山口は土小屋口

登山口の駐車場が混むので日帰り客の帰り時を狙い午後1時に到着。路上駐車も多かったが、狙い通り帰る車がポツポツ出始めて無事に車庫入れ。

ただアクセスには失敗した。失敗ではないが「やられた」感じ。

西条からUFOラインが推奨ルートだが、後の行程でも西条を利用するため西から黒森峠を通る国道494号から石鎚スカイラインを選んだら自分史上経験のないワースト道路の酷道だった。

道幅が狭くすれ違えないため、対向車が登場するとすれ違いができる場所までグネグネと坂道バックしなければならない。という説明は山道アプローチあるあるではあるが、その距離が半端なく長い。ここで対向車が現れたら何十メートル、下手したら100m以上バックしなきゃいけないの?私無理なんですけど。

針葉樹が多いため薄暗い

山道は経験していたので恐怖や不安はありつつも明るい時間のため行けるつもりで構えていたが、この気持ちを漢字一文字で表すなら「」。

 

※車上荒しとニアミス

mont-bellショップもあるハイカラな土小屋駐車場に車を停める事ができてキャンプ道具の整理、小屋泊リュックに詰め替えなどの荷物の整理をしていざ出発!と駐車場内を数メートル歩いたところで助手席に帽子を忘れた事を思い出す(あるある)。クルリと回れ右をすると、フルフェイスのヘルメットを被った125ccのバイクに乗った男が自分の車の後部ドアに手をかけて車の中を覗いていた。フルフェイスの男は戻って来た私に気がつくと、車から手を離し急いで足漕ぎしてエンジンをかけて坂道を下って消えた。ものの数秒の出来事。「きさま、車上荒しだな!待てえ!」とは言わなかったが。

車はロックがかかっていたし、防犯対策の1つにキャンプ道具などの車の中の細々した荷物は全て毛布をかけて目隠しをしている。が、タイミング的に私がハッチバックを開けて丸見え状態でモタモタと荷物の整理をしているところをどこかから監視していて、私が車から離れた瞬間に車に近づいたと思われる(怖っ)ロックを掛け忘れていたらこの数十秒間の間でキャンプ道具の詰まったテン泊用リュックを丸ごと背負って盗まれていた可能性。

人目のある白昼の出来事だったのは幸い。盗人と出くわした場合、相手から攻撃された可能性だってある。

未遂で済んだが旅の序盤で車上荒らしの洗礼を受けた事で隙を見せない意識が高まったのも良い経験をしたと言うべきか。ポジティブシンキングにも無理がある。

 

 

5/1 石鎚山登山 頂上山荘泊編

石鎚山は明るく登り易い山だった。この日が山開きとあって頂上で山開き祭りを終えてホラ貝を吹きながら白装束に身を包んだ人たちが何組も下山してきた。なんとも情緒がある登山。

風雲たけし城のような山道も

石槌山といえば鎖

日帰りできる山でも山小屋に泊まる理由は山頂から夕陽・星空・朝陽を見る事に尽きる

夕刻までは天気が急変し風も強くガスっていたが日没時間になると素晴らしい夕焼けショーに歓喜の声が上がった。

夜は月明かりが明るすぎて星が見えないという副産物

朝は朝で美しい朝陽に感動の声、太陽が姿を見せるとジワジワと上がる温度を肌で感じ「これから1日が始まる」と明るい勇気をもらう。

 

愛媛で1番高い山から美しく染まる連なる山々を眺めていると、このどこかに4年前に他界した愛媛の友人がいるような気がして、美しいマジックアワーの感動と合わせて万感。特別な空。千の風〜に千の風〜に乗って〜。

2019年親しくしていた友人が亡くなった。家族葬は故人の希望。2020コロナ、2021コロナ、満を持して2022年は自分の父が病に倒れ予定をキャンセル。4年越し、ただの墓参りならすぐに来る事も出来たが「GWに一緒に石鎚山に登ろうよ」と亡き友と話したこの時期に来てよかった。友人を亡くしてから塞いでいた気持ちがこの朝と供に晴れた。ここに来ればまた会える。

 

友人は死んじゃったけど、全国からやってきた生きてる旅人との会話も山の楽しみの1つ。

この日は松本から来た松本さん(仮称)神奈川県から湘南ボーイ、島根から大山さん(仮称)の男性3人とおばさんの私を含めたソロ自走四人が夕食で相席し会話が弾んだ。

大山さんの「島根いいとこだよプレゼン」がとても上手で島根熱発症、必ず行きますよ。

私がこの旅で登る予定の剣山を既に経験済の湘南ボーイと松本さんからは「剣山は人気の割に駐車場が小さくてすぐ埋まるから絶対に前日入りした方がいい」と強く勧められた。

松本さんは翌朝の出発前にも「どうする事にしました?前泊しますか?」と念入りに確認(笑)。

また地元高知から頂上小屋に泊まりに来た土佐さん(仮称)からは「カツオを食べるなら土佐湾に出た方がいいでしょ」「地元の人間でもそこに行く」と真顔で言われるとそんな!食べたくなるじゃん!とヨダレが出て翌日のルートが決まった。

下山時にはアナグマに遭遇

 

5/2 カツオと酷道とワタシ

石鎚山を下山し、旨いカツオを目指して石鎚山土小屋口の西からスカイラインを経由、中土佐湾を目指して南下。途中、天空の名勝地「四国カルスト」にも寄りたかったが小屋で会話をした全員から「GWは渋滞で動けなくなるからヤメた方がいい」と忠告を受けた。

だがこの日はカレンダー上は平日。ワンチャン行けるのでは?とトライ。すれ違いが困難な道も譲り合いながら比較的スムーズに進んだが、好天に恵まれて眺めた景色は「観光写真のまんまじゃん(失笑)」と感動の薄いものだった。これは四国カルストが悪いのではなく我々山登らーが普段から絶景を見過ぎているせい。

カルストの西側から入って通り抜けて東から南下したかったが、天空ドライブと牛の放牧などメインの見どころを通り抜けたあたりで渋滞発生。5分待ったがピクリともしなかったので後続車で詰まる前にUターンできるポイントで引き返した。

「わざわざ行かなくてもYou Tubeで見ればいい秘境ベスト3」入り

・青い池(北海道美瑛)

乳頭温泉郷(秋田)

四国カルスト(高知)←NEW

いずれも「一度は訪れたい秘境特集」の巻頭を飾る人気観光地で秘境と謡いながら人の多さにウンザリするというもの。自分も行ってるので人の多さを悪く言うのもブーメランですが(失笑)だって写真で見たら行きたかったんだもん。(ブーメラン)

クネクネ道で梼原を経由し中土佐に着いたのは13時半、カツオが旨いと聞いてきたお目当ての黒潮工房は早仕舞いでガーン!!おのれ四国カルスト(自分が悪い)

気を取り直して中土佐港の久礼大正町市場に向かう。

 

ここがとても良かった。山本鮮魚店でカツオの藁焼タタキの塊をピックアップしカットしてもらいご飯とお味噌汁を付けて定食を頂く。塩をチリリとかけて、うーん旨い!美味しい!!わああ!

絶叫したくなるほど美味しかった。苦労して来た甲斐があった。

昼を過ぎた市場は店じまいを始め、翌日の剣山登山に備えて行動食のドーナツを買う。砂糖後かけの素朴な甘さでさっくりした食感、とても美味しかった。

国道439 酷道ヨサク我慢大会

中土佐から高知自動車道に乗り

16:30 大豊ICで下車。高速道路を利用したのはクネクネ道に疲れていたのとサービスエリアでゴミを捨てれること。久しぶりにアクセルを踏んで相棒もぶ~んとご機嫌。

この道を選択したのも石鎚山頂上山荘で地元民や経験者と相談した結果。ここから32号線経由で国道439号線、通称酷道ヨサクに乗る。ヨサクが酷道界のアイドルの異名を持つと聞いたのはこの旅が終わってからですが 。

 

石鎚山頂上山荘で439(ヨサク)を走るなら昼間ではなくライトオンする時間帯の方が対向車がわかりやすいなど夜走を勧められた。

夜はスピードを出すドライバーが少ない

真っ昼間はTVでじゃんじゃん紹介されているケーブルカーで登って入る有名な秘湯など、観光地を目指す運転に不慣れな県外ドライバーやレンタカー、スピードを出すツーリンググループやバスも通るためそれらの交通量が落ち着いた夕刻がいいと勧められた。

私も県外ドライバーのシティガールで鳥目のおばさんなんだけどね。

18:15祖谷渓温泉ホテル秘境の湯で日帰り浴を済ませ出発。32号線は舗装された二車線道路やホテルなど文明があるのが、439に入ると結界を越えてしまったかのように雰囲気が変わった。

落石恐怖の岩が飛び出た渓谷沿いの岩盤激狭道路、スリップして漫画のようにガードレールに激突してくれといわんばかりの湧水と落ち葉が混ざったウェットな坂道カーブ、集落の間を縫うような細道、これでも439最大の難所は避けたハズだが。。

 

酷道界のアイドルはピンではなくユニットだった。そしてセンターエースの登場。

暗闇にライトで照らされたのは、木か電柱に縄で縛りつけられ洋服を着てぐったりとした人の形をした等身大のカカシ

木からぐったりぶら下がった等身大のカカシ。ビッッックリした。ほんと勘弁してくれ。

畑の農産物を荒らす鳥獣への威嚇ではなく、交差点の飛び出し坊やのカカシ、民家の軒先で並んで座って談笑している農作業中のおばさん達風カカシなど。この集落は昔は賑わっていたがある日突然、空から舞い降りたカカシ大魔王に呪いをかけられ村民全員カカシにされてそのまま時計が止まってしまったとさ(嘘)。カカシゲシュタルト崩壊。別の種類の恐怖に入れ替わった。

この時の気持ちを漢字一文字で表すなら「」。

きっとこれは夢なんだ。私は癒しを求めて四国にドライブに来たんだ。これは夢だ、ここは別の惑星だ。

もうヤダ。時速10kmでも進めば着くだろう。既に陽が暮れたため急ぐ必要は無く安全第一、ソロ旅のため格好をつける必要も誰かに気を使う必要もない、そして運転を代わってくれる人もいない。ふふふ。

 

20:00 剣山見ノ越第一駐車場到着

Googleタイムラインによると、この日の走行距離は255km 7時間

 

ひいいいー。7時間あったら北海道だったら500km移動できてる!!

 

そしてここでも車中泊熟睡選手権。

後半に続く