第53回暇つぶし杯

バレーボール観戦と山旅と湯の記録

特急あずさで行く松本総合体育館日帰りの旅

20221127 松本総合体育館

V.league VC長野ホームゲーム

VS パナソニックパンサーズ

 

信州のアイドル、アルクマ君

 

バレーボール観戦と旅の記録

2022年11月27日(日)の記録です。

ブログのアップが2月になってしまいましたが、今年は10年に1度の大寒波襲来などもあり、これから紹介する特急あずさの車窓から眺める景色は今頃は雪と氷に覆われて真っ白で巨大な壁になって見頃でしょうという言い訳を添えて。

 

中央線特急あずさ 定価運賃より30%引きのトクだ値30を利用

新宿→松本間 4,620円×2

首都東京から日帰り1万円以内で大自然を味わえる電車の旅。

 

あずさと言えば昭和生まれなら必ず歌う

はあちじ(8時)ちょおおどの、でなく7時30分新宿発のあずさ3号が私の定期便。

あずさ3号は千葉駅から出発、総武線船橋錦糸町と停車します。私は総武線沿線民なのでこらが便利。

 

あずさから山岳ショーを楽しむためには、松本に向かって左側の席を取るのが掟です。D席です。鉄の規則と書いて鉄則です。

まずその前に川霧から。火事か?と見間違うほどスモーキーな景色が広がっていました。

調べたところ川霧発生率が高いようです。石和温泉あたりだったかな?温泉の湯気かとも思いました。このフォッサマグナ界隈の温泉はトロトロした肌触りで大好きです。※温泉の湯気ではなく川霧だってば。

 

 

ここで日本の山標高ベスト6+1 なぜベスト6+1かって?バレーファンだからです。

①富士山 3776m

北岳 3193m←南アルプス

③奥穂高 3190m←北アルプス

間ノ岳 3190m←南アルプス

槍ヶ岳 3180m←北アルプス

悪沢岳 3141m←南アルプス

赤石岳 3120m←南アルプス

 

新宿を出発してまずお目見えする南アルプス

間ノ岳3189農鳥3026あたりでしょうか?

標高の低い山はまだ紅葉が楽しめますが3000m級の山々はひと足早く冬を迎えて狙い通り冠雪してます!(興奮)

続いて富士山3776

さすが真っ白です。(完全逆光)

あずさの窓越でスマホ撮影なのでボンヤリしてますがとてもお美しい。

暫く3000m峰の壁が続きます。

窓から覗き込まなければ頂上まで見えない大きな山塊は日本NO.2の北岳3193と鳳凰山仙丈岳3033かな?

あの壁の向こうに何がある、

進撃の巨人でしたっけ?

この巨大な壁の向こうにはおそらく、中央アルプス、名古屋と長野を結ぶ「特急しなの」が走っていている。いつか乗りたいな特急しなの。

 

これはワカル!甲斐駒2967

この日は日曜日のため、日帰り登山範囲の山梨県内で行楽客の皆様が下車すると車内が空きました。空いた右側の座席に移動!

八ヶ岳です。2500m位でしょうか。

右へ左へバタバタしていると車掌さんから「切符を拝見しまーす」と声をかけられます。指定席ですからね。。でも「八ヶ岳見たくてー席は向こうで‥」と訳を話せば「あー、ゆっくり楽しんで下さい(にっこり)」と柔軟に対応して頂けました。ありがとうございます。あずさのそれぞれの座席の上には「予約済・空席」とわかるランプが点灯しています。

 

諏訪湖周辺やバレーボールファンにはお馴染みの地名「岡谷」あたりの線路周辺は開発されていてビルもあり景色が楽しめません。ちぇ。

松本の手前からまた景色が開けて左側に北アルプスが登場するのですが、この日はあいにく行きの時間はガスってて見えませんでした。帰りに松本駅の観光案内所から眺める事ができました。

山岳を背負う都市、いい景色だなあー。景色を眺めるだけであずさに乗った甲斐があった。

真ん中の飛び出している山が松本のシンボルでもある常念岳じょうねんだけ2857m。このブログのアイコンにもなっている山です。

写真ではわかりませんが常念岳じょうねんだけの左に日本No.5の槍ヶ岳3180の槍先がちびっと見えるらしい。。。

 

登った事がある山を別の山や街から眺めると格別なんですよ。常念岳は初めて本格的なソロ縦走をした山なので特に思入れがある山です。キツかったけどそれを全て忘れる最高の景色。この雲海に浮かぶ右の山が常念岳

ちなみに松本城常念岳のベスト撮影スポット。この写真も以前VC長野観戦の際に立ち寄りました。

あの壁の向こうに何がある(本日2度目の進撃の巨人)→富山県です。この時は日本海側は大雪に見舞われましたが、松本市内はこの壁がブロックして守られていました。

 

10:23松本着

そんなこんなで車内でお弁当を食べる余裕などなく松本駅でお蕎麦を食べてから体育館へ向かいました。

あずさはお弁当の車内販売が無くなってしまったので停車時間の長いどこかの駅で駅弁を買えたらな〜。

松本駅バスターミナルにはアルピコ交通草間彌生バス。

彌生バスを見ると「松本に来たな〜」と実感します。

またちなみに

松本市美術館の庭には草間彌生さんの作品が犬のように転がっていて外からでも鑑賞できます。

 

 

毒々しい(笑)松本市美術館Vリーグ観戦で立ち寄りました。あの時は小澤翔(現東海大監督)が引退するってんでシーズン後半に慌ててあずさに乗り込んだんだっけ。。

 

松本駅からはバスに乗り換えて体育館へ向かいます。ルートが複数あるので私はだいたい松本駅に着いてからGoogle Mapでルート検索をし、体育館へ向かいます。バスの場合は所要時間3,40分〜。市街なので渋滞する事もあります。1度歩いた事がありますが1時間以上かかるのでおすすめはしません。

この日は駅前のターミナルを過ぎてターミナルのあるアルピコプラザへ。

http://www.alpico-plaza.jp/shop/travel/

 

アルピコプラザは飲食店やお土産売り場もあり適度に時間が潰せます。

バスは交通系ICカードが使えないので、ターミナルの券売機で買うと安心。

https://shisetsu.mizuno.jp/m-7616/access

 

松本総合体育館着

今でこそ各チームがホームゲーム作りに力を入れるようになりましたが、自分が知る限りVC長野はどこよりも早くホームゲーム作りを熱心に行って来たチーム。過剰な演出ではなく手作りで、今までVリーグチームがなかったこの松本で、国内TOPリーグの大会を開催しようと笹川GMの情熱が作ってきた大会。体育館の周りにノボリを立てたのもVC長野はかなり早かったのでは。今までどこの会場も会場に入るまでどこで試合をやってるかわかんなかったんだよ。だから私はV1参入以降続けてVC長野のホームに通う。松本ホームを応援しています。

 

三輪ちゃん。

2階ホールでは選手のパネルがお出迎え。ファンクラブ特典で早い時間に入場。

 

美術館も松本城も眺めに行くぐらいの時間はありましたが、バスで浅間温泉まで行って日帰り温泉でひとっ風呂浴びる事もなく、仕事が忙しく疲れていたので今日は早めに会場入りしてグッズを物色したりアリーナグルメを物色したり会場で過ごしました。これができるのもVC長野ホームの楽しいところ。

グロッテポーチ。これは会場ではなくネットで購入したものですがお値段以上に手が混んでいて普段から使っています。(パンサーズのファンなので鞄の中に節操ない)

VC長野ホームと言えばすっかりお馴染みのご当地プリン。グロッテも大好きな名物のプリンも売り切れ前に買えました。

 

もうここまででかなり満足したので今日は何しに来たんだっけ?状態。そうだクビアクを見に来たんだ。

試合前のコート外では今季からVC長野の指揮を採る川村監督が元チームメイトのパンサーズベテランメンバーと談笑したり、クビアクに抱きつかれたり。川村監督は元パンサーズの選手であり優勝監督でありクビアクを日本に連れてきた人物。これからVC長野をどんなチームにデザインするか楽しみです。

 

 

焼き芋みたいなマスコットはチームマスコットのグロッテより目立ってる松ぼっくりの妖精まっくん

 

ハーフタイムには地元農業と提携しているVC長野オリジナルの焼き芋をもぐもぐ。ほら、まっくんに似てる。この焼き芋、砂糖に漬けこんだのかっちゅう位蜜蜜しくて甘〜〜〜い。そして熱っつい。口の中を火傷したくなかったら試合前に購入しハーフタイムで食べることをおすすめします。

 

試合の方は1-3でパンサーズの勝利。VC長野は負けてはしまいましたが第3セットを27-25のデュースでもぎとるなど見応えのある試合をホームで見せました。

B評

https://www.vleague.jp/form/b/27729

 

パンサーズは序盤はサーブで池田幸太を崩しキーマンを押さえる事に成功しますが、中盤からターゲットを中野ドラゴンに変えると池田幸太が本来の破壊力を発揮する。サーブで崩しておきながらブロック戦術がハマらない最近のパンサーズにはもどかしく思う。逆に上背のない中野や下川にブロックで止められるなどブロック総数では長野が僅かに上回りました。中野は地元、創造学園が産んだユーティリティプレーヤー。V2の埼玉アザレアから移籍して今季から長野で活動中。長野県民はそれが誰だか知らなくても「創造学園のコ」と知れば、県民の息子に転換する県民性。同じく移籍してきたリベロの備も高いサーブレシーブ成功率でチームに貢献するだけでなくキャラがチームに馴染んでいる。

またサーブで攻められパスが乱されてもセッター下川もよく踏ん張り配球を散らしたと思います。アラウジョだけには絞らせない。

長野の魂、MB森崎のスパイク決定率は8/12の決定率66.7%

新人MB三輪は13/20で決定率65%

当然警戒されショートサーブで狙われても3-2-1(受数−優−良)の成功率83.3% 

三輪はこの2連戦でVリーグのスパイク決定率1位になりました。サーブターゲットにされても関係ない。笑えますね。

 

三輪の笑えるところは、例えば「ふじりー」のような相性のよいセッターを必要とせず誰がセッターでも打数が多い。BパスだろうがCパスだろうが自分がサーブターゲットにされようがトスが低かろうがタイミングが合わなかろうが悪球をものともせずニコニコしながらシャっと決める。決めてニコニコする。

感想:何なんだ(笑)

V1リーグで活躍する三輪選手や小川選手(WD名古屋)らを排出した明治大学は見ていて楽しい。全国の大学の中で最もレベルが高い関東一部リーグに昇格してからかれこれ10年以上経ちますが、選手が入れ替わっても常に新しいユニークな個性を放っている。

 

明治大学男子バレーボール部

大げさに言っちゃうと、明大バレー部は2020TOKYOで金メダルを獲ったフランスチームに存在が似ている。

明大はフランスに似ているとは以前から言い続けていたのだが(誰にも相手にされなくても)フランスがオリンピックで金メダルを獲っちゃったから話が大げさになっちゃっうんだ。

2015年

https://twitter.com/kyo1m62/status/624972008036564992?t=MWKmD2CsyPswe3mbk4VGeA&s=19

 

・何で強いかわかりにくい

わかりにくい

1発でドカンと決めるよりチクチク繋いで得点を積み上げる

・破壊力の高いザ・エースが存在しない

伝統的にスパイカーの基本体型がもやしっ子(池田颯太)

・トータルディフェンス

トータルディフェンスという言葉が一般的に使われる以前から明治はトータルディフェンスに取り組んでいた。

ブロックワンチのボールの落下点をブロッカーがコントロールしてるかのようにフロアディフェンスに余裕があり、攻守の切り返しが柔軟でトランジションに滅法強い。

・ポジションにありがちなスキルの偏りが小さい。

6人全員平均的にパスが上手い

OPもMBもレセプションが自然

リベロがセカンドセッターの役割をする

個人の閃きを他の選手が共有するのが早い

MB(三輪)がチャンスボールをダイレクトで叩くフリしてセッターにフェイクセット→セッターがツーを打つフリをしてフェイクセット→最終的にMB(三輪)が打ってニコニコする(鼻から血飛沫が出る程バカウケ)

リスクマネージメントが上手い

サーブで崩されても何てことなくMBがクイックに入っている

パサーのせいにしない、セッターのせいにしない

Aパスでしかクイックが使えないならAパスの範囲を広げればいい(とベラスコも言っていた)

何ならあえてBパスを入れて相手ブロッカーを誘惑している節すらあった

スパイカーのせいにしない

スパイカーが打ち切れないで相手がボールを繋げてもディフェンスに自信があるため、お楽しみはこれからさ

ブロッカーのせいにしない

ブロックでシャットしなくてもワンチを取れば繋がる、相手のコースを絞れればレシーブが反応する

1発で決めなければいけないというプレッシャーが小さい

ミスの少ない低リスクのサーブでブレイクできるサーブを持っている(池田)

見ていて楽しい、小さいチームが巨大な相手に勝つために工夫した「誰のせいにもならない次の手があるシステム」が楽しさを製造している

 

・ずる賢い

「相手がストレートを打ってくるようなディフェンスをしたらまんまとハマった」大学生時代の小川の発言。策士め。生存競争を生き残るのは筋骨たくましい大型肉食獣だけではなくずる賢いサル。

 

それが強制的にやらされるバレーではなく、飄々として自由で、くだらないと思えるアイデアを次々繰り出し、笑い合う。馬鹿馬鹿しいと見えることもずる賢くやり抜き(新や小川)軽く笑えるユーモアとミスをチャラにする幅広い心、僕らは自由を、僕らは青春を、気持ち良い汗を、消して枯れない涙を

親父達ばばあ達が愛して止まない奥田民生のイージューライダーが持つ哲学を感じるチーム。

仲間と程よいスピードでどこまでも笑いながら走り続ける終わりのない旅。

世代で全国ベスト3に入る面白バレー部は10年前には国内に存在しなかった。高校生も日本代表もみんな強制的に死物狂いで走らされ、壁に跳ね返されるバレーをしてきた。

コロナのせいで池田や三輪が最高学年になった明治大学バレーボール部は、パンデミック前と同じとはいかずに消化しきれない感情も残ったと思う。彼らに無くても私には大いにある←。

彼らが今日もバレーボールという面白スポーツを謳歌する姿を見ることができて、日帰りで松本まで来た甲斐があった。明大バレー部はフランスに似ている、VC長野もこの壁の上に立つ日が来る。

 

なかなか簡単にはいかないクラブ事情がそこにはあるとお察ししますが、私は私の目で見ている彼らの活動を応援し続けたい。

 

 

おまけ

帰りの松本駅ホームで信州のアイドル、アルクマくんに会いました。これはあずさでなくたぶん篠ノ井線の車両。

信州の魅力をクマなく伝えて歩く信州リンゴを被ったアルペン(山岳)好きのクマさん